実験小説ぬ/浅暮三文
2007/10/11読了。
この作者の本は、メフィスト賞受賞作を読み倒していた時に『ダブ(エ)ストン街道』を読んだのが初めで、それからすぐ『カニスの血を嗣ぐ』を読んだ。
要するに好みだったので。
日常の中にある人には説明しづらいうすら寒さといった感じの話がとても好きで!
例えるなら子供の頃、家に一人で居る時に見たNHK教育の子供番組がなんか怖い!という感覚。
分かりづらいなあ。
この本は、傑作短編集と書いてある通りひとつひとつの話が短くて読みやすい。
そして実験小説の名を冠しているだけあって色々と飛んでいる話が多い。飛び過ぎ。
結論を言うと、相変わらずとても好みでした。
かっとんだ話なんて、そんなの大好きに決まってる!
以下、気になった話にちまちまコメント。
ネタバレはあまりないかと。
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『帽子の男』
ぽこりとふたつ盛り上がった土!なるほど
『喇叭』
眠り込んでしまった後に覗き窓から覗かれている部分が怖過ぎる。
鳥のように見えて、しかし鳥にしては少し奇妙で、頭部が中年の婦人が変なパーマをかけたようって、怖い!
そんなもののシルエットが覗き窓越しに見えたら泣く以外ない!怖!
『遠い』
熊の板きれが素敵。なるほど熊ね…!
『雨』
雨と海老と老婆と阿片という登場物に逆らわず生温くて寒い話。
『線によるハムレット』
「あいつの髭」で分かるほどその地位を確立しているのは凄いことですね、髭界において。
線いいなあ。
『壺売り玄蔵』
ストレートな話!
写真ネタで入り、柑橘類で大笑い。ザボンにそんな力がっ!
『參』
漢字萌えがこんな不幸を生み出すとは…こういう話大好きです。ストーリーのことではなく。
いえ、ストーリーも好きですが後味悪っ。
『タイム・サービス』
死体と包丁とカレーと老婆!
乾いた空気がたまらない。
『再会』
乾いた空気がたまらない!!
個人的に理想に近い会話と関係。
『隣町』
豆腐は高野豆腐しかなく、の一文が楽しすぎてどうしようかと。
『海驢の番』
海驢が渋い…!
『黄金の果実』
そんなバナナって凄く書きたくなったので書きます。
『箴言』
こういったノリの話がとても好み。
有名ラーメン屋に食べに行くことに抵抗を持つのはとてもわかる。
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- 2007/10/12(金) 01:58:58|
- 読書メモ|
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